カミデのブログ

日夜、創作と修行、音楽製作にあけ暮れる、音楽家の生活

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ゲーム中毒

 

 以前、肩を壊したときにネット対戦ゲームに没頭して、全米ランキングの上位になったことはお話ししました。実は肩を壊す以前からこのゲームに没頭することがありまして、肩を壊してアコーディオンが弾けなくなってしまったことで、さらに拍車がかかり、もうゲーム中毒に真っ逆さまでした。

 

 どれくらいの中毒状態かといいますと、必要最低限の仕事をすること以外はゲームの時間となってしまったのです。ご飯も食べないときもあります。ほとんど寝ないときもあります。そして、「キャラクター」のスキルをどうやって積み上げて強くするかとか、そういうことを暇さえあれば考えているんですよ。で、YouTubeで他の人の技を研究したりして、仮想世界にドップリとつかっていました。

 

 パソコンあけたらゲーム、という感じでそうとうヤバイ状態でしたね。で、意味もなくゲームたちあげて、ぼーっと強くなったキャラをひたすら眺めている時間があったりして、もう完全な病気ですよ、ほんと。ゲームの中でキャラクターが死ぬとゲームオーバーなので、もう生きている強いキャラを持っているだけでステイタスなんですよね。

 

 肩の調子がだんだん良くなってきて練習するんですが、ちょっと気がそれてゲームにいってしまう。で、ちょっとだけゲームをする。お昼過ぎに始めたのに、気がつくと外が真っ暗になっている。さすがにコレは依存症になってヤバイ状態と本人も思うわけですよ。

 で、2,3日、ゲームをやめてみる。すると禁断症状が出るんですよ。なんかイライラしたり、挙げ句の果てに夢の中でゲームやってるんですよ(笑)。ほとんど禁酒とか禁煙の世界とおんなじですよね。

 

 最終的に強攻策をとるしかないと思って、持っているキャラクターを無茶苦茶な状態で戦わせて死んでもらったんですよ。自殺ですな。死んだらもうそのキャラは2度と使えません。5,6体いろんなキャラクターを持っていて、3体くらいを抹殺したらもうどうでも良くなりましたね。で、風呂入って爆睡しました。

 

 今は肩の状態がほぼ完治して、ゲームに使っていた時間を練習に使っていますよ。一日少なくとも5時間、多いときは10時間くらいやってます。治してくれた整体の先生にはホント感謝です。白状すれば、ゲームにこれだけ使っていたということですね。アホでした。完全に練習にシフトしたので、ちょっと時間があると「バッハのこの3声の曲の息継ぎのポイントはココとココで、」と考えたりします。YouTubeで他の人の演奏見たりして研究します。つまり、ようやく自分という現実のキャラクターを育てることにシフトできたわけです。

 

 ゲーム理論というのがあります。もともとチェスやポーカーなど、人が互いに影響し合う状態を経済や軍事などに応用したもので、1921年に数学者のエミール・ボレルが「ゲームの理論」についての論文をいくつか発表、その後、1944年、オスカー・モルゲンシュテルンと共著で『ゲームの理論と経済行動』を出版しました。「勝つか負けるか」のゲームに於いて、数学的にその解を証明できるというものですが、僕には少々難しいです。

 最近ではこれとは別に、人がゲームに夢中になるのをマーケティング応用したものもあります。これは上記のものと違って学術的なレベルのものではありませんが、たとえばゲームなんかでキャラクターのレベルが上がって、今まで使えなかったスキルがつかえるようになる、コレは楽天などの会員ランキングで使われていて、シルバーとかプラチナとかダイヤモンドとかいって、ステイタスをどんどんあげていって、あと何回の買い物でダイヤモンド会員、ダイヤモンド会員になったら優待セールとかいって、いらんものを買わさせるものです。常に小さなご褒美をまいて、また次へ次へと消費行動へと促すのです。

 

 今僕は、この小さなご褒美を自分の練習に利用しています。このご褒美は、ものである必要はないのです。ゲームの中ではひとつのクエストをクリアーしたときの「達成感」というのがあります。「達成感」は立派なご褒美なのです。

 簡単な小品を練習曲に選びます。簡単なものを指ならしに使って、次に少しレベルの高い曲を弾けるようになるまで練習します。そして以前難しかったものが弾けるようになると、この曲を指ならしの曲にシフトします。これを「中毒レベル」の練習量を繰り返していくことで、目に見えて指ならしの曲のレベルと量が上がっていきます。ここで重要なことはノートに記録することで、この達成感を目でも確認することです。

 絶対やってはいけないこと、ものすごいレベルの高い曲にいきなり挑戦して、ひたすら苦労して何度も中断しながら練習すること、これはゲームの中ではゾンビアタックとかいって、死ぬのを覚悟でしょぼいスキルで強い敵と戦うことと同じなんですよ。時間かかって全然面白くないです。自分のレベルよりも少しレベルの高い曲をきっちり練習してステップアップすれば、確実に高いレベルには到達できますから。

 

 僕はゲームでキャラクターを育てて、ひとつ確信したことがあります。それは本気で計画的に時間を投資すれば、それだけの結果が得られるということです。他人が絡んだりする場合は、いろんな要因が含まれるのでこの限りではありませんが、少なくとも個人のレベルでは確実に結果が出ます。

 

 それと、スポーツの世界ではきびしいかもしれませんが、演奏家というレベルに於いては年齢は関係ありません。若いうちに始めた方が良いというのは、ようするに練習にかける時間の問題で、若いときに始めればそれだけ多くの時間がかけられるということで、「うさぎとかめ」の話ではありませんが、調子に乗って怠けていると勤勉な人に追い抜かれるのはいうまでもありません。

  僕は10年前にはとうてい無理だったことができています。10年前には鍵盤アコーディオンを弾いていて、ボタンアコーディオンは弾けませんでした。左手フリーベースもクイント式というのは使っていて、今のクロマティック式とは配列が全く異なります。全部1からやり直しました。でも、演奏は10年前よりも確実に良くなっています。10年前にはとうてい弾けなかった曲も弾けてます。

 

  ここ数日はゲームキャラクターを育てるがごとく、時間を自分自身に投資しています。ゲームキャラクターを強く育てるのには相当な忍耐がいりますが、自分自身を育てるにはそれ以上の忍耐と時間が必要です。でも、そこから得られる「ご褒美」はハンパなものではありません。

 

 いろいろ考えてみますと、ゲーム中毒になった時間も無駄ではなかったのかもしれません。練習をゲーム感覚にするようになって、計画的に自分のスキルをあげることができています。夢でもフレージングを練習してます、楽器を見たら吸い寄せられるように、意味もなく楽器を抱きかかえてしまってます(笑)。

 

 さてさて、そろそろ現実の世界でも、全米ランキングを狙いましょうかね(傲慢かましてみましたー)。

 

 

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